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香りのコラム

Connect with・・・~イシュタルからのお手紙~新しい時代への始まり

私たちは今までローズオイル、ローズウォーターに関して、あえて手を付けてまいりませんでした。それはもう十分にアロマセラピーの世界や歴史などから多くの人に浸透しており、今更情報を発信するまでもない。という思いから。また蓬田勝之のモダンローズ(現代バラ)の香りの世界に特化することにより、より深く情報を発信していけると思ったからです。

しかしながらここへきて、私の考えは一新しました。

オールド、モダンローズ併せての香りの素晴らしさや人に与える香りの効果を伝えるには、やはりオールドローズからの精油やローズウォーターの力も不可欠なのです。もっと言えば、「香りの世界」という大きな視野でみるならば、バラの香りだけにとどまらず、バラの香りをより魅力的に魅せてくれる伴走者も併せてアピールしていくことも必要になってきているのではなかろうか・・・

時代に合わせてバラの香りの世界も変化、いや進化が必要なのではないかと思い始めております。

モダンローズの香りの表現に関しても、今や交配も複雑になり一言でこのタイプの香り。ということが言えなくなってきています。

フルーティモダン、ティーモダン、ティーフルーティなどなど・・・表現は今後さらに複雑になっていくでしょう。

私たちの8つの香料に関しても同時期に同じ問題が出てきました。香料には多くの成分原料が使われています。年々それらのいくつかの原料は手に入らなくなったり、使用が禁止になったりという問題が出てくる度に、少しずつ調整していました。しかしここへきてとうとう原料が手に入らないものが多数になり、香りの再現性が難しくなってきたというのです。来る時が来たな・・・と思いました。遅かれ早かれその時期が来ることはわかっていました。昭和の処方が令和まで続いていたことが奇跡だったのです。

寂しいなと思う一方、私は何かワクワクしてきてもおります。変化の時というのは動くとき。飛躍のチャンスでもあるのです。幻の香りとなってしまうのであろう今までのこの8種の香りをベースとして、これからは令和のバラの香りを表現していく。より軽やかに、今の時代に合った香りを作るというのは気持ちが高まります。

一方で私は思いました。だからこそ今後もモダンローズの香り研究のベースとなる蓬田先生の研究成果を間違いのないように正しく伝えていかなければならないと。基本がなければ砂の城のように崩れます。

改めて気が引き締まる思いがいたしました。

先日、蓬田先生の講演がありその際に、先生と依然某研究所で一緒に働いていらした部下の方が新入社員のメンバーを連れていらっしゃいました。Nさんとはその際に私もこの会社を立ち上げたばかりの時にお会いしていたのでご挨拶させていただきました。

Nさんに私は、色々大変なこともありますが、蓬田先生や皆さまが研究、携わっていらしたことを間違いないようにお伝えしなければいけない。その一心でやっております。と申し上げたところ、

ありがとうございます。嬉しいです。という言葉をいただきました。

なにか心が報われたと言いましょうか・・・ご褒美を痛いたような気持ちになりました。

モダンローズの香りにはタイプがあるということも、バラの香りには嬉しい効果があるということも、香りの世界が神秘的だということも・・・まだまだ知られていないことが多いのです。バラの香りの伝道者(自称)である私としては、これからも布教活動にいそしまなければなりません(笑)